拍皮刀の解説

香港飲茶点心で一番重要と言われる「蝦餃」を製造する折に、必ず必要とされる浮粉皮を延ばす為に使用される包丁。
英語では Dim Sum Knife ともいわれるもの。

点心を本業として既に40年になろうとしていますが(2017年現在)、その間10社程のメーカー品拍皮刀を購入・使用しました。
その中で最多は、やはり老舗と言われる本場香港「陳枝記」ブランドの製品です。

30年前の陳枝記ブランド拍皮刀に使用上の問題は無かったし、その当時は道具を判断するほどの経験もありませんでしたが、
教室を開いて後生徒からの要望で購入する機会が増え、不具合が多く色々のメーカー品を輸入する結果となったのです。

参考のためどのような不具合があるのかを説明いたします。

参考画像

画像左が表、

画像右は圧延面

現在保持している香港及び中国製の拍皮刀3種。両端は香港購入品、中央は中国輸入品。右端は「陳枝記」普及品で購入後35年経過。左端はメーカー名不明だが同様に35年経過。
どちらも再研磨し、角を取っている。 
左から 333g ・ 297g ・ 254g

先ず「陳枝記」製品に関しては、
 1)面粗度に問題あり(圧延面の研磨不足で皮はうまく延ばせない)
   この問題は決定的な不良品でどのような現象を起こすかというと、
  ・ 皮が包丁部分に付着すると同時に付着癖が付き皮は上手く延ばせない
  ・ 包丁「こ」の字を書くように動かさなければならないのだが、スムースに動かせないのでうまく延ばせない。
 2)全て片刃で作られているため左利きの使用は考えられていない。
 3)価格が高すぎる。
 4)総重量254gは軽すぎる。

1)の問題は「しっかりと油を付けて延ばせば大丈夫」との見解はあるが、本物はそのような心配は無用のはず。
というのは、1本だけ本物と思われる陳枝記を入手したことがあり実にスムースに皮を延ばすことができた。
これは誰が使っても直ぐに判ることで、結局受講生の一人に(名古屋在住のマイスター)懇願され売却してしまったので画像は無し。
この現品は見た目も美しく表面仕上げも鏡面で、一番異なるのは刻印。
刻印は深く明確で黒染めはしていない。
但し価格は普及品の倍以上はする代物。

普及品は刻印に黒染めが施され浅くす鮮明ではない。(参考画像(2))
画像でも判る通り表面の粗さも酷い。
それでも香港で陳枝記で購入てもらった結果円価で4,200円もする(2016年)。
その折は香港に10年近く住んでいた受講生の一人に10本持ち帰ってもらったところ、袋を開いたら9本しか入っていない。
日本人は紙で包んだものを目の前で開けて現品確認する習慣などないことを彼らは知っているので、作為的に騙されたと思われる。

普及品にしろ本物にしろ中国国内で製造しているので、そちらから直接購入した方が安い。
という判断で中国から直接購入するのだがこれがまた不良品ばかり。
多分日本人は返品などしないし泣き寝入りを見越してだと思われるのだが、
10本輸入して全てが不良品(先端が全て曲がっていたり折れていたり・刃が直線でなく全く処理していない等々)

それでも私自身機械加工の経験があり研磨機他必要な工具もあるので、どの様に修理対応すればよいかわかり修理修復できるものの、
通常は破棄処分するしかない代物が多い。
今迄受講生に販売していたものは全て研磨し直し、角は危険なのでR3mm程度に丸くして渡していたものの、2016年以降輸入も不可能。
調査すると中国側でこの包丁が武器対象となった為らしく、中国で輸出禁止になったとの情報。

この包丁がないと蝦餃の製造他浮粉の皮ができないので止む無く日本製の拍皮刀を手配する他に無いと判断。
それが下記画像(3)

日本製拍皮刀の利点
1)表面が#1000番で最終研磨しているので皮が圧延面に付着することはなく皮の伸びが良い。
2)全て1本1本バリ取り、面取りまでしているので誤って落として足に刺さるという事も無い(以前それで怪我をした従業員が居た)。
3)両面に緩い傾斜があるので左利きの人も同様に使える。
4)重量・大きさ共に一番使いやすいものにしている。
5)不具合が有るときは当協会で対応できる。

総重量 : 315g
サイズ : 全長ー320mm  刃長ー205mm 刃幅ー90mm
定 価 : ¥10,000-

備 考 : 当教室受講生は受講生割引がありますので以前よりも高い価格で購入しなければならないという事はありません。

以上ですが、不明点や確認事項があればいつでもご連絡ください。