岩田さん集中講座奮闘記


6月25日より7月1日までの7日間(中一日はお休み)を費やして愛知県一宮市在住の岩田美鈴さんが、
短期集中講座を受講されましたので、その内容とその成果を記しておきます。


本人紹介 :
 豊田市のトップ企業社食に管理栄養士として勤務を辞めたばかり、パン教室・料理教室に長期間通って十分に教えられるだけのものも持っているという、言うなればプロ。

受講目的 : 近いうちに結婚をされるとのことで、結婚を機に「点心教室」を開きたい。

短期集中講座を選択された理由 : 一宮から東京の町田まで通う交通費と時間が無駄であり、結婚後に通うとなると彼に迷惑も掛ける。丁度仕事を辞めた今は時間があるのでその間に基礎は習得したい。

点心教室を選択した理由 : 前々から点心を習いたいとは思っていたものの教えるところが無い、であれば自分で技術や知識を身につけて教室を開くしかないと考えた。点心に興味を抱き、習ってみたいという人は多い筈なので、そのような方々の要望に応えたい。


集中講座の料金(144,000円)に関しては
1週間で本当に基礎がマスター出来れば決して高い価格ではないものの
交通費及びホテル代を考えると結構高額な先行投資。

それに見合う価値が果たして有るかどうか判断できる資料はHPの内容と点心画像程度しかないのに
勇気のある判断をしたものだと実は当方も驚いた次第。

ただ本人の自己紹介を事前確認した段階で食に於ける経験は色々の分野に対しても豊富であり
何よりもトップ企業の社食に管理栄養士として勤務していたという実績は
衛生管理他徹底した教育を受けそれを身につけているという事なので
この方であれば間違いなく基礎はマスターしていくだろうとの確信で受け入れ。

受け入れる以上は本人が受講内容に満足し
知識及び技術をしっかりと身につけてから修了するという責任があるので
講座内容を彼女用に変更し
師範認定(形状的には問題ない段階)の保証までしての開始。


25日朝9時半過ぎに町田市鶴川駅前のホテルダイヤモンドチェックインし、ホテルから教室までの距離は徒歩12〜13分程度なのだが、時間が勿体ないので毎日車で送迎付きでの受講を開始。
10時から19時までの弾丸教室開始。


初日の科目 : 大根餅と野菜春巻

早朝に一宮を出て新幹線で全く不案内な場所に単身来られるのだから、先ずは余り技術を必要としない科目からという配慮から大根餅。大根餅はさほど技術はいらないが、春巻は通常思うほど単純な点心ではない。
ヘラ使い・左手指の形状・加熱時の膨張を配慮し丸く揚がる独自の巻き方、揚げた後も長時間皮がパリッとした状態を保持する原理や方法などを習得。

本人記載及び画像

  今まで自分が春巻きを作っていたつもりが、
  今までの成形の仕方では「春包み」だったことが判明!
  正しい巻き方だと時間がたっても皮がパリッとして
  とてもおいしいです。

  同じ太さ、長さで巻くのが難しかったです。


  大根餅初めて食べましたが、
  焼いて食べるともちっとして美味しかったです。

  難しい作業がないので家でも手軽にできそうです。


2日目の科目 : 焼売と鮮肉包(肉まん)及び豆沙包(あんまん)

点心の基本である焼売を皮作りから習い、左手の指使い・姿勢と腕及び手頸の角度・ヘラの使い方を習得。
その応用編として老麺から作る饅頭の生地に餡を乗せ、包み込みの基礎を手頃な大きさの皮で先ずは習得。

本人記載及び画像

今までも焼売は家でも作っていましたが、
ひだを細かく入れたり、
綺麗に見えるコツなどがあり勉強になりました。

講義では焼売の由来なども教えてもらえます。

饅頭は包むときに中の具が出そうになって大変でしたが、
先生の教え方もわかりやすく悪いところなども指摘してくれるので、綺麗に包むことができました。

肉まんも、上がつるっとしているのが正式なのを初めて知りました。



3日目の科目 : 水餃子

本来は飲茶点心ではないのだが日本における点心の代表である餃子の原点を知り、本物の水餃子とはいかなるものかを習得することで中国食文化の奥深さを認識。

本人記載及び画像

餃子の形や折り込む数にも意味があり、
講義を聞いてからやると成形もしやすいです。
折り込みの深さを同じにするのが難しいですが、
数をこなすにつれて綺麗にできるようになりました。

皮がもちっとしていて美味しくて、
私は今回習った中で一番好きです。

試しに試験のように時間を図って作ってみましたが、
8分で五個だったので、まだまだでした。



4日目はお休み

流石に毎日では集中力が持続しないのでお休みにし、友人と東京見物とのこと

電動自転車で東京駅→新歌舞伎座→築地→浅草→かっぱ橋→上野→東大を観光してきました♪


5日目の科目 : 胡麻団子と鹹水角・叉焼包

色々のノウハウの詰まった胡麻団子と右手の使い方が難しい鹹水角。
香港飲茶独自の老麺生地を、蒸し上げるとわざと割れるように包み込む技術の叉焼饅頭を習得。

本人記載及び画像


  ゴマ団子はゴマをつけるのにコツがあり、
  コツがわかると誰でもとてもきれいにできます。

  中のあんにもひと手間加えますが、
  これをやるとやらないではまた一味違いました。

  鹹水角は今まで存在すら知りませんでしたが、
  すごくおいしくて驚かせられました。
  成形はゴマ団子と比べると難しいですが、
  先生のアドバイス通りに包むと
  ラグビーボールのようなきれいな形になります。


  叉焼包は饅頭の包み方と似ているので、
  手順が覚えやすかったです。

  連続してやっていくと前やったことがまだ記憶に新しいので
  やりやすいと思います。


  蒸しあがりもきれいに3つに割れてよかったです♪


6日目の科目 : 小籠包

本格的な包みの技術を習得するために6日目はひたすら小籠包を包む練習。2日目と4日目の饅頭(比較的包みやすい大きさと粘度の皮)で包む基礎は既に習得出来ており、今回はその基礎の応用編という小籠包。
小籠包の指使いがそのまま次の日の一番難しい蝦餃にも生かされて来る。

本人記載及び画像

小龍包の包み方は饅頭と似ていたので、
手順はすぐに覚えることができました。
ひだもきれいだとお褒めの言葉をいただけてうれしかったです。

生地にも他とは違った秘密があり、
スープがたくさん入った美味しい小龍包ができました。

特別にマイスター試験を受けさせていただきました。
12分28秒!!

生地を伸ばすのに時間がかかりすぎたのが残念でした。
合格とまではいきませんでしたが短期集中講座の成果が出たのかなと
うれしくなりました。
次こそは受かるように練習して再びチャレンジします。



7日目の科目 : 蝦餃と工藝点心

一番難しい蝦餃と同じ浮子の皮を使って作る水晶包、その水晶包の応用である工藝点心。但し、蝦餃子が出来るようになったら次のステップで工藝点心までやると言っていたのだが、最終日で躓いて結局は工藝点心まではいけなかった。本人は実に悔しそうだったが、それでも一番難しい蝦餃の形状は十分な状態になっていたので、なんとか保証した責任は果たせたと安堵。

本人記載及び画像

  
蝦餃は話には聞いていましたが、
  想像していたよりも難しく形になるまで一番苦労しました。
  皮を伸ばすのもコツがあります。
  成形のときは折れ目を中心は長く端になるにつれて短くするのが
頭でわかっていてもなかなかできませんでした。
  先生にいろいろアドバイスいただいてきれいにできたときは、
  本当にうれしかったです。  
  まだ全部がこの形にできるというわけではないので
練習あるのみです。




  
楽しみにしていた工芸点心はウサギさんを作りました。 

  もっといろいろな形を教えていただきたかったのですが、
  私が蝦餃に時間を費やしすぎたため時間が少なくなってしまい、
  残念でした。
  でも、家でもいろいろ挑戦して作ってみようと思います。


終了後の感想(本人記載)


初めは東京でホテル暮らしをしながら点心を習うということに不安はありましたが、
やってみると楽しくて毎日があっという間に過ぎていきました。
点心を作るのは初めてでしたが先生がポイントなどをとても細かくわかりやすく教えてくれるので、
自分でも満足いくものが作れるようになりました。
授業は講義・実技ともにとても充実していて学べることが本当にたくさんありました。
私も今回学んだことを生かして人に教えられる立場になれるように頑張りたいです。


受講終了後の感想(小林記載)

点心と料理やパンは全く別分野でありいくら其の分野に長けていても、
たった1週間で果たして点心を何処まで習得できるのか又教え伝えることが出来るかという、
責任に対する不安はあったものの其の不安は全くの杞憂でした。
やはり集中講座は点心漬けの毎日なので習得は早いという事が再確認できました。

しかし彼女は過去100人以上の受講者の中でも特異な存在。
例えば左手の指で窪みをつける形状も初めは指が動かないと言っていたのが、
10分もしないうちに完璧に出来ているという驚愕の対応能力。
ほぼ間違いなく皆は出来ない指の形も難なく出来るし云ったことをそのまま実践できる。
余程柔軟な頭を持っているのだと感心させられた次第。
基礎を簡単にこなしていくのだから、彼女は直ぐにJR.マイスターの取得はできるはず。
あとは自宅で反復練習しスピードを身につけるだけで、受験に来るのが楽しみ。

アシスタントで1週間付いていた生徒(現在JRマイスター試験6科目合格であと蝦餃のみ)が、
「私よりも余程綺麗に作る」と嘆いていた程に早い習得でした。

基本的な作業環境の整理整頓や清掃なども流石食に携わっていただけあって何の心配も無いし、
飲茶カフェでも開店すればと思わせるほどの基礎的能力をも持っている。

早くマイスターを取得して点心教室を開いてくれることを期待。
これから教える側の経験をも積んで良い先生になって欲しいと思っているし、
岩田さんであれば必ずなれると確信しています。


                                         平成25年7月10日